歯茎をケアしよう
歯茎は年齢と共に衰えるだけでなく、ブラッシングのしすぎや歯ぎしり・食いしばりなどのクセ、噛み合わせの問題などにより下がってきます。歯茎が下がると歯と歯茎の境目に歯垢や歯石が溜まりやすくなり、放置すれば細菌に感染して炎症が起きるので注意が必要です。歯茎下がりは徐々に進行するため、気付いた時には歯周病になっているというケースも少なくありません。
歯磨きの際には歯茎ケアを一緒に行い、習慣的に歯茎をケアしていきましょう。一般的に歯を磨く際には、歯ブラシを歯に直角に当てて磨く「スクラビング法」で歯を磨いている人が多いはずです。しかし、歯肉ケアを目的とする場合には、歯ブラシを歯茎に対して45度の角度に傾けて当てる「バス法」で小刻みに左右に磨くと効果的です。また、デンタルフロスを使って歯垢を取るなら、エナメル質と歯肉の間にある歯肉溝を意識すると良いでしょう。
コラーゲン&ビタミンCと歯茎の関係
ピンク色の健康的な歯茎を維持するためには、コラーゲンの存在が欠かせません。歯茎はコラーゲン線維、繊維芽細胞などからできていて、歯周病菌は歯茎のコラーゲン線維を破壊してしまいます。歯茎のコラーゲン線維の束は、歯茎に歯を固定し歯茎を保つ役割をしているため、破壊されると歯を支えることができなくなってしまいます。破壊されたコラーゲン線維を元の状態に戻すためには、コラーゲンをもう一度作り直さなければなりません。ビタミンCにはコラーゲンの合成を促進する効果があり、歯茎を健康に保つためには欠かせません。歯茎が下がってきたと感じたら、壊れたコラーゲン線維を再生するために、ビタミンCを取るようにしましょう。食品なら、アセロラやキウイ、ゆずやレモン、パプリカやブロッコリーなどにビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCを配合した歯磨き粉を使用すると、歯茎をマッサージしながら直接ビタミンCを歯茎に届けることが可能です。
正しい歯茎ケアで歯茎を守る
正しい歯茎ケアのために一生懸命に歯磨きをしようとして、逆に歯茎を痛めてしまうケースがあります。例えば、磨き過ぎにより歯茎を傷つける「歯肉擦過傷」は、硬めの歯ブラシで強く磨いたり、古くなり毛先が広がった歯ブラシで無理に磨いたりすると起きやすくなります。また、強い力で縦に磨くことで歯茎に縦やV字の裂け目ができる「クレフト」、磨き過ぎで歯肉が分厚くなる「フェストゥーン」などにも注意が必要です。正しい磨き方で歯肉ケアをして、歯茎を形成するコラーゲンとコラーゲン合成を助けるビタミンCを取りながら、歯茎を守る習慣を身に付けましょう。