虫歯を防ぐには歯科医院での定期的な予防ケアが重要
日本人の大半は虫歯になってからもしばらくは放置し、本格的に痛み出してから歯科医院を受診する人が多く、虫歯の予防意識は海外と比較しても低いと言えます。80歳でも20本以上の健康な歯を保持するためには、虫歯予防に対する意識改革が重要です。まずは虫歯になる前から予防のために歯科医院に行く習慣を付けることが、虫歯になりにくい口腔環境維持のポイントになります。
歯科医院で行う予防歯科の代表としては、フッ素塗布があります。フッ素塗布を行うことで歯のエナメル質が脱灰しにくくなり、虫歯になりにくくなる効果が期待できます。虫歯になりやすい人や要介護状態で訪問診療を受診している在宅等療養患者には特におすすめできる予防治療です。また、シーラントという治療法を行うと、奥歯の噛み合わせ虫歯を防ぐ効果が期待できます。シーラントは成人に適用されることはほとんどなく、主に小児歯科で行われています。成人でも行える予防ケアで挙げられるのは、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)です。歯の歯垢や歯石を落とす口腔クリーニングを行うことで、虫歯や歯周病に罹るリスクを下げる効果があります。さらに虫歯予防を徹底的に行いたいという方には、歯科ドックがおすすめです。自分の歯に潜む虫歯リスクを細かく確認でき、歯科医師から直接予防指導も受けられます。
自宅でできる虫歯予防
虫歯予防を行う際には、歯科医院の受信だけでなく自宅での行う日々の口腔ケアも重要です。自宅でできる虫歯予防としては、やはり歯磨きが挙げられます。自宅で使用する歯磨き粉を選ぶ際には、フッ素(フッ化物)濃度の高い製品を選ぶことが重要なポイントです。具体的には、フッ化物濃度1450ppmの歯磨き粉を選ぶと良いでしょう。フッ化物が配合されている歯磨き粉を使用する場合は注意点があります。歯磨きの後に何度もうがいをしないことです。何度も口をゆすいでしまうとフッ化物が全て流れてしまうので、歯磨き後は泡を吐き出さずに10ml程度の水を口に含み、すぐ吐き出す程度に留めてください。
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常に何かを食べていると虫歯になりやすくなる
1日3食の食事以外にも、常に間食しているような状態だと口腔内は酸性になりやすく、虫歯リスクは増加します。普段口にする食材には酸性のものも多く、食後は口腔内が酸性になりますが、酸性の状態が長時間続くことで歯の表面にあるエナメル質が溶け始めるのです。食後約40分経過すると酸性だった口腔内は中性に戻るので、何も口にしない時間を確保するのが虫歯予防には重要です。目安として、食後90~120分は何も食べない時間を作るように心掛けましょう。また、寝る前30分は飲食しないことも虫歯リスクを下げるための効果が期待できます。