矯正歯科のクリニック選びは慎重に
矯正歯科を選ぶときにはさまざまな判断が必要になってきます。歯科医院の歯科医師がそれまでにどれだけの患者さんに対して治療を行ってきたのかという治療実績をはじめ、治療を担当する歯科医師の経験や矯正歯科専門医の保有資格、歯科医師が矯正治療に関する深い知識をもっているかどうかなど、客観的な事実をもとに慎重に歯科医院を選ばなければなりません。
もし、治療を担当する歯科医師が矯正歯科の専門的な知識がなく、治療実績も少ない、そして経験も浅い、となればそのクリニックでは矯正治療を受けることはあまりおすすめできません。どんな医療行為もそうですが、矯正治療は非常に不確定要素の多い歯科治療のひとつです。不確定要素が多いからこそ術者である歯科医師には経験の多さと矯正治療に関する深い造詣をもつことが求められるのです。
歯列矯正を受ける前にHPをチェック
歯列矯正を考えている人は、治療や診察を受ける前に自分が治療を受ける予定を立てている歯科医院のホームページをくまなくチェックしてみましょう。特に気をつけて見る必要がある箇所は矯正治療の項目です。もし、矯正治療を行う歯科医師が経験が浅く、治療実績も少ないようであれば診療を受けることは見合わせることをおすすめします。
また、歯科医院によっては「難症例(むずかしい症例)の場合は外部から矯正歯科専門医を呼び治療にあたります」と記載しているクリニックも存在します。このような歯科医院はあまりオススメできる歯科医院とは言えません。もちろん、外部から矯正歯科専門医を呼ぶこと自体は何の問題もないのですが、いざというときに担当の歯科医師が矯正治療に対応できないようなクリニックには不安が残るのも事実です。
顎顔面矯正やRAMPA矯正のみの歯科医院は注意が必要
矯正治療、特に小児矯正を行っている歯科医院の中には顎顔面矯正(がくがんめんきょうせい)やRAMPA矯正(らんぱきょうせい)などの方法のみを小児向けの矯正治療として採用しているところがあります。顎顔面矯正やRAMPA矯正は通常の歯列矯正とは異なりあごの骨を正しい位置に移動させて正常なあごの発育をうながすことで歯並びをととのえる治療法です。
顎顔面矯正やRAMPA矯正しか小児矯正では行わず、通常のワイヤー矯正を行っていないクリニックの場合、もしもこれらの治療法が失敗したときに修正作業をできなくなるおそれがあります。このような歯科医院には注意が必要です。