唾液や治療時にでる飛沫から歯や根管を守ります
ラバーダムとは、歯科治療で用いる薄いゴム製の膜のことを指します。歯科治療では特に歯の根っこをお掃除する根管治療で用いられることが多く、ラバーダムを使って根管治療を行うことで治療中にでる患者さんの唾液や器具から噴出される水しぶきなどの飛沫から根管内部を守ることができます。ラバーダムを装着する際には専用の金具を使って治療時にラバーダムがはずれないようにしっかりと固定しますが、治療終了後はかんたんに取り外すことが可能です。ラバーダムを使って行う治療は「ラバーダム防湿法」と呼ばれています。
日本国内の普及率は10%程度
根管治療を行う際には根管内部の細菌をファイルやリーマーなどの器具を使ってしっかりと取り切り、さらに根管内部を清潔に保った状態で薬剤を充填してフタをしなければいけません。この際、根管内部に細菌が混入しないようにするためにラバーダムを患者さんの口に装着することで各種の細菌が根管に侵入するのを防ぐことができます。ところが、現在の日本では歯科医院全体のおよそ10%、約1割程度しかラバーダムを使用していません。また、ラバーダムを使っている歯科医院でもラバーダムの使用に関しては別料金を取っているところも多く、料金を支払わない場合にはラバーダムを使用せずに治療を進める、というケースも見受けられます。しかし、ラバーダムの使わない根管治療は治療を受けている患者さんの唾液が常に根管内部に侵入するおそれがあるほか、治療時に使用する3WAYシリンジからでる水や空気などによって飛沫が根管内部に入ってしまう可能性もあるため、根管の中をきちんと清潔な状態にできない可能性があるのです。
歯科治療はラバーダムを使用しているクリニックを選びましょう
日本ではまだ10%程度の普及率のラバーダムですが、海外の歯科先進国の代表的な国であるアメリカではラバーダムを使用せずに根管治療を行った場合、もし再治療になるなどして患者さんから訴えられたときには、ラバーダムを用いなかった歯科医院が100%裁判で負けます。ラバーダムはそれくらい歯科治療、特に衛生的な状態が求められる根管治療では必要不可欠なものです。根管治療、ひいては歯科治療全般を受ける際にはホームページや電話、メールなどを使って事前にそのクリニックがラバーダムを使用しているかどうかを調べておくことをおすすめします。