以前の歯医者さんは怖かった

今はだいぶ減りましたが、以前の昭和の時代には街の歯科医院には「怖い歯医者さん」がたくさん存在していました。昭和の歯医者さんでは子どもを叱りつけたり頭ごなしに命令する、怒鳴る、などの歯科医師が少なからず存在していたのです。そのときの経験がトラウマになり、結果として大人になったあとでも子供時代の経験をひきずってしまい、歯医者が苦手、という方も少なくありません。
もちろん、今ではもし、昭和時代の歯医者さんのように子供を叱ったり怒鳴るなどの行為をしたらそのクリニックはおそらく営業を長く続けていくことはできないでしょう。それくらい、小児歯科治療は変わりました。具体的には「子どもにやさしい歯科医院および歯科医師」が増えてきているのです。

まずは子どもに「歯医者さんは楽しいところ」と認識してもらう

子どもに歯医者さん嫌いを克服してもらう、または、歯医者さんにはじめて訪れる子どもに少しでも歯科医院に慣れてもらうためには歯科医院側でも努力をする必要があります。具体的には、まずは子どもに「歯医者さんは楽しいところ」という認識を持ってもらうことが重要なポイントです。
子どもが楽しいと思うような場所、たとえば遊具を置いてキッズルームを設置する、むし歯や歯のことに関する絵本を用意して待合室やキッズルームで自由に読めるようにする、治療のあとにプレゼント(お菓子はよくありません)をあげる、などの方法があります。これらは子どもが喜ぶことであり、一度でも歯科医院に訪れたときに上記のイベントを経験すると「良い記憶」となって子どもは歯科医院を楽しい場所、と思うようになります。

初診時は原則として治療はしない

子どもにトラウマを植え付けない、または歯医者嫌いを克服させるには、初診時の対応がとても重要です。子どもは初診時、つまり最初に歯科医院に訪れるときに疑心暗鬼の心でクリニックにやってきます。「痛いんじゃないかな」「怖かったらどうしよう」そんな気持ちを持つ子どもに対して、いきなり初診時に治療を始めてしまうとトラウマになってしまうおそれがあります。
このため、どうしても緊急に処置をしなければいけない場合をのぞいて初診時には治療はせず、院内を設備を親御さんといっしょにゆっくり見てもらったり、歯科医師や歯科衛生士、歯科助手がやさしく子どもに話しかけるなど、初回の診療のときにはとにかくやさしく、子どもを落ち着かせてあげることを配慮する必要があります。

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